80年代前半に所謂 ” モータウンビート ” のちょっとしたリバイバルがあった、という事は
以前にも何回か書きました。
ホール&オーツ「マンイーター」、スティーヴィー・ワンダー「パートタイム・ラヴァー」、
そしてフィル・コリンズによる「恋はあせらず」のカヴァーなどがよく知られています。
さらに言えば、その少し前からイギリス勢の中でもアンテナの鋭いミュージシャン達によって、
このリバイバルは始まっていたと言えます。
デイヴ・エドモンズとニック・ロウを中心とし、アルバム一枚のみを残して解散したロックパイルによる
「ハート」(80年)(#86ご参照)、ポール・ウェラー(#55)率いるザ・ジャムが解散間際に放った
全英No.1ヒット「悪意という名の街」(82年)などが既にありました。
この曲もそんな所謂 ” モータウンビートリバイバル ” の真っただ中にリリースされ、見事に全米No.1と
なりました。言わずと知れたビリー・ジョエルによる「Tell Her About It」(83年)。
「あの娘にアタック」という邦題から、恋するあの娘へ告白するんだ!くらいの内容かと長い間
思っていましたが、実は語り部は第三者であり、しかも当の男女は既にステディな関係である。
” 彼女へ(ちゃんと)伝えなよ ” という、自分は過去にそれで過ちを犯したので、その教訓から、
オマエは付き合っている彼女へ大事な事をきちんと話せよ、というアドバイスをするものです。
邦題の付け方ももう少し考えてもらいたいものでした・・・・・
PVは言うまでもなく、エド・サリヴァンショーを模したもので、エドはそっくりさん。
ビリーは B.J. and the Affordables(お手頃価格なバンド)として登場し、後に控える
大物コメディアンの為に場を ” あっためる ” 役割だったのですが、完全に場を食ってしまった形で、
スタジオ以外でも視聴者たちや、なぜかソ連の宇宙飛行士までもノリノリとなります。
ちなみに大物コメディアンは踊る熊と絡む、という設定で、はたしてその後は?……… というオチ。