#241 Blue Moves

喧嘩両成敗などと申しますが、永年虐げられていて積年の恨みから思わず手を出してしまった場合や、
またお門違いの一方的な私怨で突っかかってこられたものなど、その全てがどちらも悪いなどと
十把一絡げで片付けられてはたまったものではありません。・・・・・・・
ここまで書いて思い出したのですが、以前にもこの様な文章を書いたような記憶が ……………………
まっ、どうせ誰も読んでないんで … このブログ ……… (*´∀`;)・・・・・・・・・・・・・・・

エルトン・ジョンが75年10月に発表したアルバム「Rock of the Westies」。前作に引き続き
ビルボードのアルバムチャートで初登場1位となります。ちなみにエルトンのオリジナルアルバムで
1位となったのは本作が最後です(94年にディズニー「ライオンキング」のサントラがチャートの
トップになっていますがあれは企画ものなので)。上はオープニング曲である「Medley: Yell Help / Wednesday Night / Ugly」。

75年2月にエルトンはアルバムには収録されなかった(後にベスト盤に入る)「Philadelphia Freedom」をリリースします。当然の様にシングルチャートでトップに輝きます。本曲はある女性テニスプレイヤーの
為に書かれた曲。余談ですがなぜかこれだけ ” エルトン・ジョン・バンド ” の名義になっています。

同年9月には「Rock of the Westies」よりの先行シングル「Island Girl」がこれまた1位に。
この頃はNo.1が当たり前になっています。

しかしながらエルトンについて語られる時、よく言われるのが本作「Rock of the Westies」より
作品のクオリティーが落ちてきた、という事です。私個人的にもそう思います。先述の「Island Girl」
などは数多あるエルトンの名曲群においてそれほどのものとは思えません。もっともNo.1ヒットしたものが
必ず優れた曲かと言えば、そうではない事は言わずもがな・・・・・
とは言ってもそこはエルトン。凡百のミュージシャンとは訳が違います。A-⑤「I Feel Like a Bullet
(In the Gun of Robert Ford)」とB-①「Street Kids」は本作における秀逸なナンバー。
前者はエルトンらしい陰影に富んだスローナンバー。後者は3rdアルバム辺りに立ち返ったかのような
活きの良いロックチューン。エルトン・ジョンと言えば「ユアソング」「キャンドル・イン・ザ・ウインド」といったバラードや、「タイニーダンサー」「ロケットマン」などの壮大かつ深淵な楽曲、あるいは
「クロコダイルロック」の様にポップなR&Rが一般的な印象でしょうが、私はある意味本曲の様な
少し泥臭いロックナンバーがエルトンの真骨頂なのではないかと思っています。

本作からディー・マレー(b)とナイジェル・オルソン(ds)がバンドを離れています。契約の終了とも
伝えられていますが、前回述べたようにエルトンはこの時期酷い状態であり、周囲の人間も腫れ物に触る
ような状況だったらしく、二人がエルトンの元を去ったのはそれも原因としてあるかもしれません。
ただしデイヴィー・ジョンストン(g)は残っています。かれはエルトンのお気に入りだったようですから、
あっ!別に変な意味ではなく純粋にギタリストとして、多分・・・・・
作品の質が低下した要因としては色々な人が色々な所で色々な事を述べています。エルトン自身の中で
アイデアが枯渇してきた、DJMレーベルとの年二枚アルバムを出すという契約、ツアーやプロモーション
などに追われる日々、そしてドラッグ・アルコール・過度なダイエットとリバウンドなどなど・・・
おそらく全てが関わっているのでしょう。どんな天才でも一日は24時間しかないのです。

一回でまとめようと思いましたがムリそうなので二回にわけます (*´∀`;)
あっ、ちなみに今回のテーマである「Blue Moves」とはエルトンが76年10月に発表した二枚組アルバム
「蒼い肖像」の原題。一番上はA-②「Tonight」です。