#235 Saturday Night’s Alright for Fighting

今日では当たり前の週休2日制。米国では自動車メーカー、所謂ビッグスリーの一つである
フォードが1920年代に、日本では松下電器が1965年から導入していたそうです。
しかしながらそれは先進的な考えを持った一部の企業であって、多くは1980年頃までは
基本的な休みは日曜のみという企業が一般的だったそうです。

映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(77年)は土曜日の夜にディスコに集まる若者たちを取材した
雑誌の風俗記事が元になっているそうで(勿論映画オンチの私は観た事ありません)、
休みの前日にディスコで踊り狂う事だけが生き甲斐、という青年たちを描いた内容だそうです。

これが90年代に入ると事情が変わってきます。ドリームズ・カム・トゥルーの
「決戦は金曜日」(92年)という曲名からもわかる通り、一週間で最もテンションが上がるのは
土日が休みとなったご時世では金曜日(特にその夜、当時で言う ” アフター5 ” というやつ)
という事でしょう。ちなみに私、ドリカムにも詳しくありません、念のため・・・・・

エルトン・ジョンのアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」(73年)について、ようやくD面
まで来ました。
D面のとっ始めである「Your Sister Can’t Twist」。サブタイトルが ” (But She Can Rock ‘n Roll) ”
ですので、” あの娘はツイストは踊れない、でもR&Rはノレるのさ ” という内容。
次曲への呼び水的な配置となっていますが本曲自体素晴らしいロックチューンである事は言わずもがな。

今回のテーマであるD-②「Saturday Night’s Alright for Fighting」も全曲に続き ” イカした ”
R&Rナンバーです。作詞家 バーニー・トーピン曰く ” イギリスしてるロックナンバーを書いてみたかった
最初の作品 ” との事。10代のときに行ったダンスクラブでの話が元になっているとか。
ちなみにエルトンは10代の頃はホテルのラウンジでおとなしくピアノを弾いていたので、
この様なシチュエーションになる事はまかり間違ってもなかったのは既述です。
本曲のレコーディングは大盛り上がり、言い方は悪いですが狂った様な状況だったそうです。
下は有名なやつですが80年、セントラルパークにおける演奏。ただただ素晴らしいの一言。

そのレコーディングの乱痴気騒ぎ振りがそのまま表れているテイクが本曲です。全てがそうであるべきとは
全く思いません。基本的に全ての表現は理性に基づいて創られるべきだと思っていますので、
羽目を外してただただハイテンションであれば良いなどとは微塵にも考えないです。
これだけ逆を張ってから敢えて言いますが、この曲はこれでヨカッタのです。
74年、ハマースミスオデオンでの模様。エルトンがブレイクするキッカケとなった70年夏の米西海岸
ツアーはこんな感じだったのかもしれません。やはり、ただただ素晴らしい・・・

上の動画では本曲終了と共に袖に引っ込んでますのでラストナンバーだったのでしょう(アンコールは
この後あるのでしょうが)。本作でもこの曲はハイライト的な位置づけです。
前曲と本曲でR&R三昧(二曲だけど … )、といった感じでしょうか。
甲乙つけ難いナンバーが色々あるアルバムですが、個人的にはベストトラックです。

アメリカの一部企業では週休三日制が導入され始めているそうです。そうするとこれからは
”Thursday Night’s・・・” というくだりが増えてくるのでしょうかね?
個人的にはなんかしっくりこない、という気もしますが・・・・・

#234 All the Girls Love Alice

全然余談ですが、これまで使わせてもらっていた無料レンタルサーバーが3月末で終了する為、
サイトの引っ越しをせねばならなくなり、正月の二日間をかけてアタマからバネが出そうに
なるのを必死で押さえながら、一時は業者に頼むしかないかな?などと悪戦苦闘しながらも
なんとか新サーバーへの移行に成功しました。なので本投稿からは見た目には以前のサイトと
寸分違わないものですが、新しいURLとなっています。
まあどうせ … 誰も読んでないんですけどね、このブログ・・・・・・・。 ・゚・(ノД`)・゚・。

年が明けても引き続きエルトン・ジョン、73年の大傑作「Goodbye Yellow Brick Road」について。
C-②「The Ballad of Danny Bailey」は副題が ” ケンタッキーの英雄の死 ” となっている通り、
作詞家 バーニー・トーピンが好んでいた西部開拓期もの。

C-③「Dirty Little Girl」の出だしの歌詞を記します。

これまで多くの運の悪い女を見てきた。トラックにはねられたような顔をした女をね。
そんなことは言うべきではないだろうし、本当に気の毒だとは思うよ。
だけど、もし俺の庭にそんな女が入ってきたら、俺はそいつのケツに回し蹴りを食らわすね。

女性人権団体が挙って押しかけて来そうな程に女性蔑視の内容に思えます ………
ドドドε=ε=J(ꐦ°᷄д°᷅)しJ(ꐦ°᷄д°᷅)しJ(ꐦ°᷄д°᷅)しJ(ꐦ°᷄д°᷅)しJ(ꐦ°᷄д°᷅)し!!!(((((゚Å゚;)))))・・・・・
しかし深読みすれば、皮肉屋であるエルトン&バーニーからのある種応援歌なのかもしれません。
生まれつきの容姿が悪い、貧しい境遇に育ったとか、生まれを嘆くだけではなく自分から動け!
というメッセージかも。「ユアソング」の対極にある様な歌です。
このファンキーなグルーヴが天下一品です。

今回のテーマである「All the Girls Love Alice」はC面ラストを飾るナンバー。
一聴する限り快活なジャンプナンバーですが、良家の子女が通うパブリックスクールにて、
男性を愛せない主人公アリスはクラスメイトと関係を持ち、さらには年上の夫のいる女性とも …
淑女であれという厳しいしつけや性的コンプレックスから、ついには地下鉄に飛び込む・・・・
イイとこで育ったレズビアンの娘がその環境や性的嗜好に悩んでやがて自殺するという内容です。
エンディングで聴ける不安を掻き立てる様なサウンドエフェクトはこの様な歌詞故なのですね。
下は13年、つまり40年後におけるシカゴでのライヴ。テンション感こそ若い時にかなわないのは
致し方ないのですが、歳を取ってこその ” 味 ” もまた一興です。

前回のテーマである売春をテーマにした「Sweet Painted Lady」に始まり、抗争の末に死んだギャング、
醜女やその貧困について、そしてラストは自殺に至ったレズビアンの娘と、C面は言わば本作品における
ダークサイドと言えます。しかし聴けばお分かりの通り、楽曲・サウンド・演奏全てが極上のものです。
やはりこのアルバムが名盤と語り継がれるのはこの辺りに要因があります。

次回でようやくD面に触れることが出来ます。昨年9月末から本作を取り上げてきてやっとです … (*´∀`;)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ!忘れてました。今年もよろしく (*´∀`*)