昨年9月から、エルトン・ジョンのアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」(73年)について
書いてきましたが、今回で最後です。
あっ!最後といってもこのブログの事ではなく、本アルバムについては今回で終わりという事ですよ。
・・・・・・・・・大丈夫だ、このブログ終わっても誰も困らねえから (*´∀`*) ………………
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前回、D-②「Saturday Night’s Alright for Fighting」がコンサートでハイライトに
用いられると述べましたが、本作中においてもそれは同じで、Ⅾ面の残り三曲は言わばアンコールに
相当する位置づけです。
「Roy Rogers」と「Social Disease」はどちらもエルトンお得意であるカントリーテイストの楽曲。
前二曲が熱いロックチューンであったので一旦クールダウンといったところでしょうか。
「Social Disease」は急に音量が低くなるので再生機器に不具合でも起きたか?
と一瞬思ってしまいますが、そうではなく狙っての事。
全然余談ですが本当にエンジニアのミスでボリュームが変わってしまったものもあります。
ビーチボーイズの「Do You Wanna Dance」(65年)ですが、上の動画で0:27辺りから
それまでよりかなりボリュームが上がります。正確に言えばこれはエンジニアがサビで盛り上げようと
スライダーを上げたのでしょうが(二番でも若干の差はありますからね)、いくらなんでも
一番のサビ前後は差があり過ぎです。昔はこれでもまかり通っちゃったんです、イイ時代ですね。
勿論、楽曲・歌・サウンドはそれとは関係なく極上のもの。
話はまた飛びますがエルトンとブライアン・ウィルソンの関係は#210で既述の事。
アルバムのラストを飾るのは「Harmony」。
” だから、君を愛していたいよ永遠に 絶対、絶対、絶対去らないで 夢のようなハーモニー ”
友への葬送に始まり、永遠のハーモニーで終わる、何とも意味深です。本作については
色々なサイトで考察がなされているので長くは触れませんが、スター街道を突き進んで行く
エルトンとパートナーであった作詞家 バーニー・トーピンとの溝であるとか、エルトン自身も
そのショービジネスに嫌気が差し始めてきた頃であったとか、都会の冷たいレンガ舗道へ
別れを告げる、とはそういった当時の状況から生まれた作品であったと言われています。
おそらくは概ねそうなのでしょう。
上は何度も取り上げている80年、セントラルパークでの演奏。これを観て初めて知りましたが、
エンディングにおけるハモリで上のパートはディー・マレイ(b)だったんですね。
コンサートで言えばハイライトであるとかアンコールとかいう表現をしましたが、
本作はある意味コンサート、エルトンのステージを盤上で再現したものだと思います。
その意味ではコンセプトアルバムと言えるでしょう。
私が思う二つのポップミュージック史に燦然と輝く完璧な二枚組大作であるスティーヴィー・ワンダー
「Songs in the Key of Life」とエルトン・ジョン「Goodbye Yellow Brick Road」。
どちらも二人のミュージシャンが泉の様にアイデアが湧き出てしょうがなかった時期に創られた
作品ですが、唯一違いを上げれば、「ブリックロード」は先述の通りコンセプト性があるのに対して、
「キー・オブ・ライフ」にはそれがあまり無いという点でしょうか。
ちょっとまて荘厳なアカペラから始まる「ある愛の伝説」に始まり、血沸き肉躍るような強烈な
ハイライト「アナザー・スター 」もあり、エンディングは「イージー・ゴーイン・イヴニング」の
哀愁を帯びたハープのインストゥルメンタルで幕を引く、見事にストーリーがあるだろ!ゴルァ!!
という意見もごもっとも。しかしそれは楽曲の配置であって昔はアルバムでは普通になされていた事。
スティービーは次から次へと生まれてくる楽曲を二枚組にまとめ(アナログでは収まらなかったん
ですけどね… (*´∀`;) それでLP2枚+EP1枚)、エルトンはこれで一旦自らのミュージシャンとしての
活動にある意味での区切りを付ける、という思いがあったという違いがあるのではないでしょうか。
またこの時期のスティービーは制作に関してはモータウンの干渉は受けないという二十歳の時に交わした
約束が守られており、そのほとんど全てを一人で創ったのに対し、エルトンはバーニーは勿論の事、
プロデューサーであるガス・ダッジョンやバンドメンバーなど、仲間たちと一緒に創り上げたという
違いもあります。もっともどちらも類まれなる大傑作であるのは同じです。
以上で十回に渡った「Goodbye Yellow Brick Road」回も終わりです。
昨年9月の#227で今年中に終わるかな?と書きましたがやはり終わりませんでした …(*´∀`;)…