#48 Summer of Love

#31から続けてきました、60年代後半から70年頃にかけてエポックメイキングと
なったロックを取り上げてきたテーマは前回をもって終了しましたが、今回はそのオマケ編。
”サマー・オブ・ラブ”と呼ばれる67年夏にサンフランシスコを中心に起こったムーヴメントが
ありました。現在から振り返るとかなり極端な文化的・政治的主張や価値観であったりして、
賛同出来るか否かは人それぞれですので、ここではそれについては触れず、ロックミュージックに
おける同ムーヴメントに影響を与えた、またはそれに感化されて作られた音楽を軽く見ていきます。
季節的にまったく真逆ですが、どうぞ全然気にしないでください。
え、クリスマス? ナニそれ? たべられるモノ???(´・ω・`)???


スコット・マッケンジー「San Francisco」。超ベタなとこですが、そのものずばりのタイトル、

同ムーヴメントの象徴とされる楽曲。お次はリリースこそ65年12月と若干遡りますが、ウェストコーストに
おけるフォーク・ロックの象徴的楽曲 ママス&パパス「California Dreamin’(夢のカリフォルニア)」。
ちなみに先のスコット・マッケンジー「San Francisco」はジョン・フィリップスの作。

2曲続けてベタベタなとこから始まりましたが、これまた超ベタなやつ。というより今回はほとんど
ベタなのしかありません。”シスコサウンド”の象徴的存在であったジェファーソン・エアプレイン
「Somebody To Love(あなただけを)」。

#31で触れましたが、ロックにおいて最初のサイケデリックナンバーとされる(勿論人によって諸説あり)
バーズの「Eight Miles High(霧の8マイル)」。

こちらは#2で書きましたが、名盤「ペット・サウンズ」の後、世界一有名な未完のアルバム「スマイル」に
収録されるはずだった(本作の各トラックは、この曲をはじめその後の作品にてバラバラに採用されて
いますが)ビーチ・ボーイズ「HEROES AND VILLAINS(英雄と悪漢)」。「スマイル」が04年に
ブライアン・ウィルソン名義で日の目を見ることも#2の記事にて述べた通り。

続いてはイギリス勢。67年と言えばビートルズ「サージェント・ペパーズ」ですが、ここではその前作
「リボルバー」より
ビートルズ初のサイケデリックナンバーとされるTomorrow Never Knows」。

#25から#28にてピンク・フロイドは取り上げましたが、プログレッシヴロックの雄とされるフロイドも
デビュー当初はサイケデリックロックバンドの急先鋒でした。ロンドンにおけるアンダーグラウンドシーンの
中心地であった伝説的存在であるUFOクラブにて、ライティングを駆使した独自のステージを繰り広げて
いました。ここではデビュー作「夜明けの口笛吹き」より「Astronomy Domine(天の支配)」。

エリック・クラプトンは#8~#12で書きましたが、伝説的ロックトリオであるクリームも時代の影響を
受けてサイケ色からは逃れられませんでした。デビュー曲「I Feel Free」。曲自体は真面目に作ったのか
どうか疑わしいような曲ですが、クラプトンのギターソロだけはとにかく素晴らしいの一言。

お次はムーディー・ブルース。ピンク・フロイドやプロコル・ハルムと共に、プログレの黎明期を
支えた存在。言うまでもなく「Nights In White Satin(サテンの夜)」。

最後は”カンタベリー・ロック”の礎を築いたソフト・マシーン。ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、
ナショナル・ヘルスなどにより、イギリス南東部のカンタベリーをその中心地として、後にフュージョン
(クロスオーヴァー)とは一線を画する独自のジャズロックを創り上げました。80年代、日本において
この様なジャンルはまったくと言って良い程見向きもされませんでしたが、90年代以降徐々に
認知度が上がってきたようです。オシャレでポップ(軽佻浮薄とも言う)な80年代にはこれに限らず、
少しマニアックなジャンルを聴いているだけで、「ネクラ」とか「オタク」とか言われたものですが、
オタクという呼称が必ずしも蔑称ではなくなってきた様に、ロックに限らずマニアックなものが
認められるようになってきたのは、オジサンからすると大変良い時代になったものです。今の30代
以下の方たちは、物心ついた時から基本的にずっと不景気の世の中で育ったと思いますが、逆にバブル
世代以前の連中(私も含めた)よりもよほど文化的アンテナが鋭いのではないかと思っています。
ゆめゆめ”最近の若いもんは…”などと言っては失礼です。むしろ”まったく最近のオッサンは…”と
いう言葉こそこれからは使われるべきでは・・・。

以上駆け足で見てきましたが、先に述べた通り今回は前回まで続いてきたテーマのオマケ編、
もしくは補完編とでもいうものでした。あ、そうそう、別に全然大したことではないのですが、
今年の記事はこれにて最後です。別に年が変わるのにあまり意味はないので。それでは、またノシ

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