#137 Feel Like Makin’ Love

今回のテーマ「Feel Like Makin’ Love」。本曲つながりでロバータ・フラックから
マリーナ・ショーへ話が展開した訳ですが、ふと思いつきで、この曲だけに絞って
丸々一回ブログ書いたら面白くね (*゚▽゚)?! … などと安直な考えに至った次第です・・・

本曲に関してはマリーナ版が白眉と前回述べましたが、ロバータ版が素晴らしい事も
言わずもがなです。ビルボードとキャッシュボックスのポップスチャートにて1位を記録し、
その他ビルボードのソウル及びイージーリスニングチャート、またカナダでもNo.1ヒットに。

数えるのがイヤになるほど数多くのミュージシャンに取り上げられて続けている本曲の作者は
ユージン(ジーン)・マクダニエルス。ジャズバンドのシンガーとして出発し、60年代には
ソウルシーンでヒットを飛ばし注目を浴びます。ロバータはデビュー作からマクダニエルスの楽曲を
取り上げていましたが、本曲をタイトルとする75年の6thアルバムでは9曲中4曲が彼のペンに
よるものでした(共作含む)。ロバータ版が初出であり、No.1ヒットとなった事から、
”「Feel Like Makin’ Love」と言えばロバータ・フラック ” 、と言われる所以です。
マクダニエルス自身も75年にレコーディングしています。

ロバータ版・マリーナ版と並んで有名なのはこれでしょう。ジョージ・ベンソンが83年に
リリースした「In Your Eyes」に収録されたヴァージョン。ミディアムテンポの16ビートにて
演奏される事が多い本曲ですが、これは思いっきりアップテンポのダンサンブルファンクナンバー。
人によって好き嫌いは分かれる所ですが、こういう解釈もあって良いのでは?
ちょっとだけ音楽的な事をタレますが、いきなり歌から始まるロバータ版にしろ、前奏がある
マリーナ版にせよ、所謂 “ ツー・ファイブ ” というコード進行で始まります。
キーとなるコード(この言い方は正しくなくて音楽的にはトニックと言うらしいですが
あくまで分かり易く)をIとすると、Iへ戻る直前にⅡ(大抵マイナーコード)→Vという
展開をするこのコード進行はポップスでもお馴染みですが、ジャズフュージョンでは
本曲の様にいきなりツー・ファイブで始まる事も多い様です。であるからして本曲の場合は
Fm7(Ⅱm)→Bb(V)→E♭(I)となり、キーはFmではなくE♭になります。
興味が無い方はこの辺読み飛ばしてください、私も本職はドラムなのであまりその辺は・・・

ロバータ版にて参加していた二人のギタリスト ラリー・カールトンとデヴィッド・T・ウォーカーが
15年に来日し、ビルボードライブ東京で行ったライヴで本曲を取り上げています。
このライヴ盤は物足りないという声が多い様ですが、弾きまくるだけが能じゃありません。
これ以外は聴いていないのでわかりませんが、あくまでマリーナ版の本曲をイメージした
演奏らしいので、抑制の効いたものになったのではないでしょうか。

ラリー・カールトンのライバル(=盟友)と言えばリー・リトナー。彼の代表作にて70年代
フュージョンシーンを象徴するアルバム「Gentle Thoughts」で本曲を録音しています。
ドラムはマリーナ版と同じくハーヴィー・メイソン。西海岸におけるトップドラマーでした。

インストが続いたので再び歌モノ。スティーヴィー・ワンダー回(#124)でも取り上げた85年の
大ヒット「That’s What Friends Are For(愛のハーモニー)」に参加していたグラディス・ナイト。
スティーヴィー、ディオンヌ・ワーウィック、エルトン・ジョンと比較すると一般的知名度は
劣るとその時は書きましたが、米ソウル界ではカリスマ的支持を集めた彼女。
グラディス・ナイト&ピップスにて発表したヒット作「2nd Anniversary」(75年)に収録されています。
ジャズフュージョン、イージーリスニング的編曲がなされる事が多い本曲ですが、グラディス版は
それらに比べると異色でありがっつりとソウルしています。彼女の歌唱力があってこそのアレンジです。
本アルバムにはプロデューサーの一人としてマクダニエルスが参加し、全9曲中の内4曲が彼の作品。
一般的には枕詞の様に「Feel Like Makin’ Love」の作者という点だけが取り上げられるマクダニエルス
ですが、ロバータをはじめ、米ブラックミュージック界において絶大な信頼を得ていた事が伺えます。

変わり種ですが今井美樹さんも本曲を取り上げています。殆どが洋楽のカヴァーで占められた
「fiesta」(88年)に収録。これから本当に大変失礼極まりないことを言います。
今井さんは決して歌が上手いシンガーではないと思いますが・・・・・
ε=ε=ε=ε= (#゚Д゚)( °∀ °c彡)ヽ( ・∀・)ノ┌┛・・・ ・・ちょっ!!タ、タンマ!!!(((((゚Å゚;)))))
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( #)ω・) ぎょふょんにんのふぇんにみょあみばひたぎゃ(訳:ご本人の弁にもありましたが。
失礼、ちょっと歯が折れたもので … )、ご実家は確かジャズ喫茶を営まれていて、幼い頃から
エラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレエを聴いて育ち、彼女達と比べて何て自分の声は
弱弱しく頼りないんだろうと常日頃思っていたそうです(比べる相手が悪すぎますが・・・)。
しかしながら、私は初期における彼女の作品しか知らないのですけれども、その儚げな声は
当時の作風とマッチしており、独特な雰囲気を醸し出していました。

最後に再度ロバータ・フラック。80年にリリースした彼女初のライヴアルバム「Live & More」。
その後ディズニーアニメの主題歌などでブレイクするピーボ・ブライソンをパートナーに
迎えたロバータのライヴ盤に本曲を収録しています。印象的なベースプレイはマーカス・ミラー。
洗練された音色とフィーリングがこの時代らしい。ロバータはピーボという相方を得て
ダニーの死を乗り越えたと一般的には言われていますが果たして? ……… と言うのも野暮ですね。

ヴォーカル・インストゥルメンタル共に数えきれない程の録音があり、またジャズフュージョン系の
ミュージシャン達にとってはセッションの定番曲なので、世界中でどれだけ演奏されているのか
見当も付かない程です。万人に受ける親しみやすい循環進行のポップスという訳ではありませんが、
そのアダルトでアンニュイな雰囲気は、少し背伸びしかけた若者からオールド世代までを
魅了してやまないのでしょう。本曲がこれだけ支持されている理由はそこにあります。
ちなみに「Feel Like Makin’ Love」ってどんな意味なの?、などと考えているそこのアナタ …
私の口からはとても言えません … ♡♡♡(*´▽`*)♡♡♡ … 言えませんよ、”@※▽◎したい” なんて。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヽ( ・∀・)ノ┌┛Σ(ノ;`Д´)ノ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です