その人に定着したイメージと実際が異なるという場合が往々にしてあります。
上方漫才、というより日本漫才界の最高峰と言うべき夢路いとし・喜味こいし師匠。
実は東京生まれだそうです。あの関西弁による漫才の筆頭格としか思えないお二方が
東京出身者だったというのは驚きです。…………… あっ!これ、漫才のブログじゃないですよ。
昔の洋楽についてばかり書いている誰も見ていないブログです・・・・・
「ピアノマン」のヒットにより世間に認知される事となったビリー・ジョエルですが、
最初の契約先であるファミリープロダクションからバックレる様にL.A. へ移ったのは
前回で既述の事です。そして「ピアノマン」はL.A. で創られた作品です。
今日においてはN.Y. の象徴という存在であるビリー・ジョエルのブレークは
故郷の東海岸ではなく西において始まったのです。
こんなビリーの経緯をいとし・こいし師匠とだぶらせられるんじゃないかなと思って
上の枕を書きましたが、読めば読むほど見当違いの様な気がしてきました …(じゃあ書くな)。
「ピアノマン」の次作である「Streetlife Serenade」(74年)。そのA-①が上の
「Streetlife Serenader」です。恥を忍んで言いますと、ずっとタイトルソングとして
同じ ” Serenade ” だと思っていました・・・・・・・・・・・
「セレナーデ」は愛する女性に対して、彼女の部屋の窓下で歌う愛の歌を指すそうです
(勿論現在では通報されます)。「セレナーダー」はそれを歌う(詠う)歌い手・詩人といった
所でしょうか。吟遊詩人と訳したブログもありました。
ここでのストリートは間違いなくN.Y. ではなくL.A. の街角です。
A-③「The Great Suburban Showdown」は前二作に収められていてもおかしくない曲調ですが、
一点だけ決定的に異なるのがシンセサイザーの使用。本作からビリーはムーグを取り入れます。
ある時期ビリーのコンサートでは定番のナンバーであったA-④「Root Beer Rag」。
ジャズ、ブルーグラス、そしてクラシックの要素をも取り入れながらのピアノテクニックを
存分に披露するための様な曲です。タイトルのラグはラグタイムを指します。
私は決して詳しくないのですがそれはジャズの前身とされる音楽スタイルと言われています。
ちなみに「ピアノマン」のヒットを受けて急いで次作に取り掛からなければならなかったが、
曲のストックが無く苦肉の策としてビリーにとっては指慣らし的な演奏を収録するに至ったという話も。
A面ラストの「Roberta」は地味な楽曲ですが、「ニューヨーク52番街」の「ロザリンダの瞳」に
繋がるものと思っています。人種のるつぼであるN.Y. で育ったビリーならではで、英仏独以外の
欧州をルーツに持つ女性(イタリアやスペインなど)、あるいは中南米の女性を題材としたナンバーの
はしりです。勿論実際にそういった女性たちとも星の数ほど付き合ったことでしょう。
中途半端な長さですけれども、アルバム丸ごと取り上げるとやはりかなりのボリュームになるので、
本作についても二回に分けます。なので次回も「ストリートライフ・セレナーデ」について。