#217 Tiny Dancer_3

緊張と弛緩。スポーツ・トレーニングの分野ではフィジカル面及びメンタル面のいずれにおいても
重要な概念であるそうですが、これらは創作物においても非常に大事な要素と言えます。
ただただ幸せなだけのラブストーリーなどは ( `д´) ケッ!とムカツクだけですし、
終始のべつまくなくお化けやチェーンソーを持った殺人鬼が襲い掛かってくるホラーサスペンスなどでは
恐怖も半減してしまいます。恋愛ものは困難を乗り越えた末に結ばれるからこそヨカッタヨカッタ ( ;∀;) となる訳ですし、背後に気配を感じて振り返るとそこに恐怖の対象はおらず、気のせいか?ε-(´∀`*) ホッ、と胸を撫で下ろして前を向くとそこに異形の者が立っていた … ギャ────∑(゚Д゚; )────ァァッ!!
という方が怖さも倍増するのです。

平たく言えば ” メリハリ ” ということになるのですが、音楽にもこれは当てはまります。
ソロプレイヤーのアドリブなどでは特に顕著であり、最初から最後までひたすら速く弾きまくるような
プレイは、スゴイな~とは思いますが、音楽的に優れているか、人の心に訴えかけるものがあるかと
いうと ” ??? ” です。やはり優れたアドリブプレイヤーは緩急の付け方が見事であり、
音数の多いプレイを続けた次の展開で、ギターで言えば ” キュイーン ” とチョーキング一発で
それまでのテンション感を開放する。ベタではありますがこれが人の心を揺さぶるのです。
これは勿論演奏面だけではなく、楽曲の構成においても同じことが言えます。

エルトン・ジョンの楽曲「Tiny Dancer」において、” 緊張・ハリ ” の部分が所謂Bメロ、
上の動画で言えば2:13からの ” But oh how it feels so real ” から始まるパートで
あることは衆目の一致するところであり、突然転調する本部分がテンション感を与えています。
いきなりBメロの話から始まってしまいましたが本曲の構成は、
①ピアノと歌のみのAメロ
②繰り返しのAメロ(リズムセクション入る、厳密には①の終わり頃から)(1:14~)
③先述したBメロ(2:13~)
④ ” Hold me closer tiny dancer ~ ” のサビ(2:33~)
が1番で、2番は基本的に②③④になります。
エルトンの歌とピアノは言うまでもないことですが、演奏陣・コーラスそしてストリングスと、
本曲は素晴らしい要素ばかりがこれでもかと詰め込まれ、それでいてそれぞれが干渉して互いを
スポイルするような事が全くないという、ポップミュージックにおいて稀有な出来上がりと
なっている楽曲です。このような曲、私は他に思いつくのはたった数曲です。
その中でも特に際立った効果をあげているのがストリングス。2:46辺りから入るそれは、
勿論ポール・バックマスターによるもの。
本ストリングスアレンジがこの名曲を更なる高みへと押し上げていることは言うまでもありません。
しかしながら、それでもあえて書きますが、ではこのオーケストラが無ければ本曲は本曲足り得ないのか?
というと必ずしもそうではありません。
先ずは次の動画をご覧(お聴き)ください。

80年、セントラルパークにおけるコンサートでの演奏。ギター2本にベース・ドラムという編成ですが、
まぎれもなく「Tiny Dancer」です
(当たり前だ … )。原曲を知っている故に、ストリングスなどを
脳内で補完してしまう、というのもあるかとは思いますが、
スタジオ盤とアレンジが違えども、
全くもって紛う方なき、異論の無いほどに「Tiny Dancer」なのです。前回あげた ” Old Grey
Whistle Test ”
におけるエルトンのソロ演奏についても同じ事が言えます。
これはつまり、本曲はそれだけで完成しているという事。演奏はオーケストラ共々素晴らしいことに
間違いないのですが、やはりそれらは副次的なものであり、曲そのものが究極的に
完成され尽くしているのです。例えれば、何の化粧をしなくともすっぴんで十分に美しい女の子の様に。
勿論メイクをしても
さらに美しさに磨きがかかります。でも、たまにいますよね、すごい美人だな~と
思っていたら、メイクを落とすと ” アレッ? ” っていう女性 … 
そうではなく素材が完璧なのです
(謝れ!全国の女性に謝れ!! (゚Д゚#) !!・・・全国の女性がそうなのか??? (´∀` ) … )。

それにしてもこのセントラルパークのライヴにおけるエルトンの歌は素晴らしい。序盤でわかる通り、
決して喉の調子が良い様子では
ないのですが、曲が始まればそれがどうした!!
男性的な(性的嗜好は別ですよ・・・余計な事を ……… )ヴォーカルと、サビでのファルセットも
見事に出ています。シンガーとしてのエルトンの醍醐味が味わえるものです。

三回で収めようと思っていましたがムリみたいです・・・ですので次回、パート4へ。

余談ですが私 … 弛緩を永らく ” ちかん ” と読んでいました。本来は ” しかん ” なのだそうですが、
誤読が一般化して現在は ” ちかん ” でも可、
と辞書にはあります・・・
ちなみに ” おまわりさん!このヒトです!! ” というのは痴 ……… いい加減にしろ!ヘ(。。ヘ)☆ヽ(゚Д゚#) …

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