#250 Jeff Beck_2

ジェフ・ベックの一番古い音源は何だろう?先ずはそう思いつきました。
ヤードバーズ加入前にあるバンドで活動していたというのは昔モノの本で読んだ記憶がありましたが、
ググってみると「The Tridents」というバンドとの事。ネット時代はイイですね。

91年にリリースされた三枚組のベストアルバム「Beckology」にその頃の録音が3曲収録されています。
「Wandering Man Blues」と「Trouble in Mind」がメドレーになっているのが上の動画です。
前者はオリジナルですがド直球のブルース。トリルの連続はこの頃から十八番だったようです。
後者もブルースのスタンダードナンバーですがこちらは1920年代の曲でサッチモも取り上げたとか。
ジェフがペダルスチールを演るとは聴いたことが無いのでスライド(ボトルネック)でしょうね。
後年結成されたハニードリッパーズの音楽的志向(嗜好)はこの辺りにあったのかな?とも感じられます。
でもあれはロバート・プラント主導でジェフは付き合わされた感が … まあイイか・・・

ライヴ音源の「Nursery Rhyme」。ボ・ディドリーによる所謂ジャングルビートの本ナンバーは、
少年期にR&Rの洗礼を受けたジェフにとって原点の様な音楽だったでしょう。
そのプレイたるや … この時から既にジェフ・ベックです(当たり前だ・・・・・)。
言葉が足りませんでしたね。この頃から後における彼のプレイスタイルがかなり垣間見えるという
意味においてです。
私はボクシングに例えるとエリック・クラプトンがオーソドックススタイル、ジェフは変則ファイターだと
勝手に思っています。ちょっとまて!「悲しみの恋人達」における泣きのギターは王道だろ!!
などと反論はごもっとも。あれもジェフのプレイの一つです。
クラプトンはカントリーテイストを取り入れたりした時期もありましたが、根っこはあくまでブルース。
奇をてらったりせずにひたすらブルースを追求しています。
一方ジェフはマイナーペンタトニックスケールを基調としたブルース及びR&Rが軸にある事は
間違いないのですが、音楽性は様々で、というかあまりこだわりは無くその時その時でイイと
思ったものを演っているだけの様な気がします。ハードロック、ソウル・R&B、フュージョンetc…
要は自分がギターで表現できる ” 声 ” をひたすら追求するまさにギター職人であり、
音楽性はその為のあくまでプラットフォームに過ぎないのです(ただの気まぐれ屋とも言えますが … )。
その為奏法も従来通りのものでは飽き足らず、トリッキーな変則奏法と呼ばれるテクニックや、
フィードバック奏法に代表される機材の特性(良くない面の)まで利用した音を模索していったのです。
これはジミ・ヘンドリックスと同じベクトルであったでしょう。まあジェフはステージでギターを
壊したり燃やしたりはしませんでしたけど・・・・・
前回取り上げた「Goodbye Pork Pie Hat」における多彩な音色の変化、それはピックアップ位置や
エフェクター、そして勿論ピッキングのニュアンスなどに因るものですが、まるで歌い手が場面場面で
声のトーンや発声を微妙に七変化させるが如く、そのフレーズごとにジェフが出したいと思った ” 声 ” を
表現する為の結果だったのです。これほどまでトーンにこだわったギタリストはジェフをおいて
他にはいません。それはジェフにとってギターは自分の ” 喉 ” つまり ” 声 ” だったからです。

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